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山岳部の様子
by tmualpine
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TMUAC 首都大山岳部とは
創部1950年
山岳部では縦走・クライミング・沢登り・雪山など四季を通じて様々な活動をしています。
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海の日の北岳バットレス四尾根2

つづき
 四尾根の登攀自体はいまさら書く意味はないと思うし、僕個人としても、特に書いておきたいことがあるわけでもないので、ハショらせてもらう。もし登攀自体に興味のある方がいたら、小山に直接聞いてください。。
 ここで一番書きたいのは四尾根終了点からの顛末だ。僕たちが紆余曲折を経て、四尾根取り付きに到着したのが15時過ぎ。終了点着が19時過ぎ。日の入りは18時半。終了点に立った時にはもうほとんど明かりはなくなっていた。さらに、最後のピッチ登攀中には雨が降り始めていた。草付きをしばし登って、平坦な所に着く。とりあえず、無事?に登れたことを労い、先行パーテイがツエルトを張っている横で休憩。。あとは尾根を行けば良い、という安心感からかけっこう休んでしまった。もう19時45分近い。完全に辺りは真っ暗。雨風が次第に強くなってきた。ビバークは決定的だ。悲壮感が漂ってきそうな状況だが、三堀さんがいつも通り振る舞ってくれたので、僕も明るくしていることができた。たぶん、ああいう時は無理にでも笑顔を作ることが大切なんだろう。沈んでしまうと、ビバークを乗り越えられなくなってしまう。
 30分ほど休んでから出発。ヘッドランプの頼りない明かりが僕たちの行き先を照らす。さぐりさぐり前進していく。あわよくば、北岳山頂を越えて肩ノ小屋まで行きたい。通常コースタイムは30分〜1時間くらい。しかし、遅々としか進めない。20時15分に山頂到着。記念写真を一枚撮ってすぐ行動再開。が、ここからガレておりさらに進むスピードが落ちた。この時点で14時間行動。疲労がたまってきて行動が辛くなってきた。肩ノ小屋も見えないので、精神的にも辛い。ヘッドランプの明かりだけを頼りに行動してきたので、今どこに居るのかも分からなくなり始めていた。結局、20時半にビバークに入る。風を避けられる岩棚を探すが、良いところが見つからない。捜す気力も無くなっていたようだ。ほとんど探さないで岩の窪みでフライに包まることにする。一応、目の前の岩に風を防ぐ役割を期待していたのだが、まあ予想通りというかなんと言うか、その岩の間から風がビュービュー吹いてくる。フライに二人で包まっていたものの、隙間からも吹き込んでくる。雨も入ってくるが、風のほうが辛い。また、フライの天井が低かったので、一晩中首を曲げていなければならず、これもかなり辛かった。朝3時くらいには吐き気がしてきて、早く外が明るくなり行動を開始することを祈っていた。
 4時半に行動開始。首が後ろに曲がらない....。ふらふらの足どりで肩ノ小屋に到着。休憩させてもらう。おしるこがめっさうまかった。あれで生き返りました..。二時間後くらいに出発。肩ノ小屋ー白根御池小屋ー広河原山荘。問題なく下山。

感想と反省 今回ビバークすることになったことはルーファイを間違えたこと、先行パーテイが居てなかなか進めなかったこと、僕のロープワークとマルチのシステムに対する未熟さ等が複合的に絡まって起きたことと思う。その原因一つ一つを改めていかなければならない。しかし、山では予定が狂うことは起こり得ること(予定はあくまで、ヒトの側のことだから)。ビバークも、どんな山行においても有り得ることだ。また、結局、今回の山行は計画書の日程通りで終わった。そこで、僕が一番の失敗と思うのが、ビバークサイトの選定だ。風雨が十分に防げず、特に風は僕の体力も気力も奪っていった。サイトを探すときにもう少し頑張るべきだったし、少なくとも風はもう少し避けたかった。
最後に、足手まといの男を連れて行ってくれたパートナーに感謝したい。あなたのおかげで初めてのビバークも耐えることができました。ありがとうございました!
by tmualpine | 2006-07-28 17:49 | マルチピッチ
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